ドゥラングルモデルのマウスピース

ソプラノ、アルト、テナーの3本の楽器の調整と一緒に、自分で使用するためのソプラノ、アルトのマウスピースを選定してきました。

選定したアルトサックスのマウスピースは、私が普段使っているセルマーS90の180と、日本では発売されて一年ほどになるクロード・ドゥラングルモデルのマウスピースです。

クラシックで使われるマウスピースの多くは、全体がエボナイトという硬質ゴムでできています。ドゥラングルモデルのマウスピースは、外側がエボナイト、内側が金属(金メッキ)でできている、エボナイトマウスピースとメタルマウスピースのいいとこどり、という構造。形状はやはりドゥラングル氏が開発に深く関わった、セルマーの「コンセプト」を継承しています。

コンセプトも人気のあるマウスピースですが、ドゥラングルモデルも発売当初から注目を集めたマウスピースです。ただ、発売直後からのコロナ禍もあり品薄が続いていて、私は複数本を試奏できる機会を得ることができないまま今に至りました。今回3本試奏できてありがたかったです。

結局、アルトサックスのマウスピースは、大量に試奏させてもらった180は買わずに、3本試奏したドゥラングルモデルから1本を購入。割と良い値段のマウスピースですが、良いものがあって良かったです。

さて、このドゥラングルマウスピース、まず外箱が大きい!1.3倍くらいはあるのかな?

なぜこんなに外箱が大きいかと言えば、この外箱の中にまるで宝石箱のような黒塗りの木の小箱が入っていて、その中にマウスピースが入っているのです。

とても高級なオーラが漂ってくる内装とマウスピースです。さすがメタルの部分があるだけあって、ずっしりと重みのあるマウスピース。試しに重量を計ってみました。

セルマー、S90の180(私が今使っているもの。ロゴがすっかり消えてしまっていますが…)が24g、一方のドゥラングルモデルのマウスピースは55gの重さ!なんと倍以上の重さです。楽器の重量が重くなると吹奏感も重くなるとよく言われます。このマウスピースの材質・重さの違いが吹奏感や音色に与える影響は大きいはずです。

実際の吹奏感は開きも大きいので(オープニングが1.65mm、C★★や200相当)、抵抗は強く感じます。ただ、コンセプトと同様に開きが大きい割には息は比較的入りやすく、さらに音が華やかに立って鳴ってくれます。ソリスティックで豊かさと存在感のある響き!

このマウスピース、私は独奏などでどんどん使っていきたいと思います。ただ吹奏楽などの音の調和が求められる場面では、使い方が難しいかもしれません。ソロの演奏はドゥラングルモデルのマウスピースで、吹奏楽オケ中の場面で180というように、当面の間、私は使い分けていきそうな気がします。

それでも、道具の選択肢が増えることは、音楽の選択肢が増えるということ!これから試行錯誤しながら使っていくのが楽しみです。

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