微分音

サクソフォンには色々な特殊奏法があります。フラジオ(アルティッシモ)、ダブルタンギング、スラップタンギング、循環呼吸、重音などなど…。こうした特殊奏法は、出来ると音楽表現の幅や演奏できる曲が広がり、おまけに人に自慢もできるテクニックです。

サクソフォンを吹く人が身につけたがる、こういう花形の特殊奏法がある一方、その影に隠れた地味な特殊奏法もあります。そのひとつが微分音。

微分音は「全音」(例えばドとレ)の音程の距離を半分にした「半音」(例えばドとド♯)を、さらに微細に分けた音。その分け方によって、3分音、4分音、8分音などがあります。

つまり、全音を1とした時に、1/2の音程の距離を半音、それ以下を微分音(1/3を3分音、4/1を4分音、1/6を6分音、1/8を8分音)と呼びます。中でも、最も多く使われるのは4分音、英語ではquarter toneと呼ばれる微分音です。

そんな微分音を使って、半音階ならぬ、微分音音階の動画を作りました。アルトサックスの最低音B♭から、その3オクターブ近く上の、フラジオ音域に入ったAの音まで、4分音で69個の音を上って下がります。

微分音では、通常の運指ではない指や、アンブシュアを調整したりしながら、目当ての音程を作ります。現代曲などでは当たり前のように使われる微分音ですが、その微分音だけで音を繋げると、一般的な音階や半音階とは一味違う、不思議な感覚を感じていただけると思います。

ちなみに、こうした微分音を表す記号もあります。もっとも一般的なのが、以下の記号。

左から、元の音符から3/4下げる、1/4下げる、1/4上げる、3/4上げる、という変化記号。半音の変化記号の♯や♭の形をベースに、デザインされています。
ただ、これ以外にも作曲家や時代・国・地域によって、別の記号も存在します。

微分音は運指さえ分かれば誰でもある程度は音が出るので、曲の中で微分音が出てこない限りスルーされがちですが、私は演奏表現のために(アンブシュアや息の柔軟性、楽器の自由なコントロールのために)、また、微分音の運指を探すために楽器の構造を理解するためにも、とても良い練習・経験になると思います。

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