講習会指導の前に

先日の土曜日、群馬県の桐生市の中学生の吹奏楽講習会指導にお伺いしてきました。

川崎市の自宅から北千住まで行き、東武伊勢崎線で北上の旅。毎年2月の末頃に太田市での吹奏楽の公演に呼んでいただいているので、太田駅までの3時間余りは行き慣れた行程ですが、今回はその先、東武桐生線に乗り換えて30分ほど。当日の朝の出発だと集合時間に間に合わなかったため、前日に桐生市に前入りしました。

そんな講習会前日。せっかく時間に余裕を持つことができたので、東武伊勢崎線を途中下車しながら向かいました。調べると「ふらっと両毛東武フリーパス」という切符が便利そうなので北千住駅で購入。紙の切符ですが、購入駅からの往復と茂林寺前駅から先の区間が3日間乗り降り自由というもので、ある程度の距離を乗り降りするときには、切符を駅ごとに買ったり毎回PASMOを改札でタッチするより安価なのです(もう10年近く、毎年のように東武伊勢崎線を使っているので、もっと早く知っていれば良かった…)。

茂林寺(群馬県館林市)

最初に降り立ったのは茂林寺前駅。そこから徒歩約7分の茂林寺に行ってきました。

御伽噺の「ぶんぶく茶釜」に出てくる、狸が化けた茶釜を買ってきたのがこの茂林寺の和尚さん。ただ、お寺に伝わる伝承は御伽噺とは少し違っています。その寺伝では、茶釜が狸だったのではなく、この茂林寺に161年間(⁉︎)使えた守鶴和尚が狸の化身だった、というもの。その守鶴和尚が持ち込んだ茶釜は、お湯が絶えることがなく、そのお湯を飲んだ人は様々なご利益に恵まれたのだそう。
なので、御伽噺の「ぶんぶく茶釜」は「文福茶釜」という漢字ですが、寺伝では福を分ける「分福茶釜」なのだそうです。

1426年に開山されたお寺の参道では、22体の狸像が並んでお出迎えしてくれます。茂林寺のホームページやその他の観光案内だと計21体の狸像となっているのですが…あれ、化かされてる?
参道の狸像は、茶釜に化けていたり、徳利を持っていたり、数珠を持っていたり。脇にも東武鉄道が寄進した大きな狸像など、計25体の狸像が圧巻です。

本堂の写真は撮り損ねましたが、参道の先、木立の向こうに本堂があります。本堂には300円の拝観料で入ることができ、中にもたくさんの狸像をはじめとした寺宝が。そして、拝観順路の終盤には「分福茶釜」が安置されています。
本堂の手前には、そんな分福茶釜をお寺にもたらしたという、狸の化身、守鶴和尚を祀る守鶴堂もあり、こちらも狸のお供えがたくさんありました。このお堂は、神社の狛犬やお稲荷さんの狐のいる所にも、狸が。
御伽噺の世界が身近に感じる空間でした。

鑁阿寺(栃木県足利市)

東武伊勢崎線は一瞬、栃木県を通ります。そして訪れたのが、足利市の鑁阿寺。2013年に本堂が国宝に指定された、足利氏ゆかりのお寺です。

元々は足利氏の館。ちょうど今の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』と同じ時代、大河ドラマでは今のところ描かれていませんが、源頼朝に従い戦功を挙げた足利義兼が、館に大日如来を祀ったのが始まりだそうです。国宝の現在の本堂は、1299年に足利尊氏の父、足利貞氏によって建てられたもの。もともとが足利氏の館跡(日本100名城の一つでもある)のため、お堀に囲まれていて、なんとも荘厳で歴史を纏った空気が流れていました。

本当は、ここから日本最古の学校である足利学校にも行きたかった!のですが、既に夕方になってしまったのでタイムオーバー。私も楽器と荷物を持ちながらの観光で、足がすっかり棒になっていました(そう、今回の目的は観光ではなくお仕事です)。そんなわけで、桐生市に向かって講習会場近くのホテルで一泊。ちなみに移動に使った「ふらっと両毛東武フリーパス」は、地域内のバスにもフリーパスで乗れるということで、夕食などをスーパーまで買いに行くのにもとっても便利でした。ラッキーです。

翌日(当日)の講習会は、私にとっても久しぶりに複数校合同での講習会でした。個別の学校単位の講習・レッスンこそ以前と同様に行われていますが、未だに複数校が一堂に会しての講習会は少ないです。そういう中で、感染予防に十分な配慮しながら、生徒たちに講習の機会を持たせようとしている学校の先生方には頭が下がります。

前日の観光(笑)に、当日の午前午後の講習会、充実しながらヘトヘトになりましたが、講習を受けた中学生がしっかりした生徒さんたちばかりで、私もとても幸せで晴れ晴れとした気持ちで日程を終えました。

ブログカテゴリー検索